element of the moment 「OKINAWAN NIGHTS」2年越しのレコ発ライブ


element of the moment 「OKINAWAN NIGHTS」2年越しのレコ発ライブ、ついに明日となりました。

2/15(金)夜、2/16(土)昼夜、2/17(日)昼夜、の合計5公演あります。
今回の昼公演、お子さま連れ大歓迎です!

子供とのお出かけってベビーカーや着替え、食べ物、飲み物、色々あって大変ですよね。
会場のSound M’sは3階なので、ベビーカーを上げ下ろしするスタッフをご用意いたしておりますのでお気軽にお声かけください。


Music from okinawaの野田さんが今回のフライヤーに書いてくださった原稿を転記。

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element of the moment
「OKINAWAN NIGHTS」
人としての生き方、音楽家としての意思、
瞬間のひらめき、沖縄という磁場。
沖縄のジャズは新たなステージへ。

 戦後アメリカ施政権下で始まった沖縄のジャズは、現在に至るまで独自の歩みを続けてきた。
 当初は米軍将校向けに、グレン・ミラーを始めとするビッグバンド・ジャズがもてはやされ、多くのミュージシャンが基地の中での演奏の仕事についた。フィリピンからの腕利きのミュージシャンもいれば、楽器の弾けない高校生が、楽器だけを手に、“カカシ”としてステージに立つこともあった。
 譜面通りのスタンダード曲の演奏を通して、演奏技術は鍛えられた。しかしミュージシャンがソロパートを挟むことは許されず、将校クラブでの仕事を終えたミュージシャンは、深夜のジャズクラブでセッションを重ねながらソロの腕を磨いていった。

 element of the moment(エレモ)が、沖縄のジャズのシーンに登場したのは2009年。かつての沖縄のジャズの遺伝子をベースに、オリジナル曲のみという、新しい試みをスタートさせた。当時の彼らのホームグラウンドは、那覇市の国際通りの裏手にあった “グリーンアンツ”。毎週金曜日、エレモのレギュラー出演日になると、多くの観客が詰めかけた。そこでは、ほぼ毎週、幾つかの新曲が披露された。沖縄でオリジナルのジャズで集客できるバンドが珍しいことは、今もあまり変わらない。楽曲の中に巧みに織り込まれたソロのパートでは、メンバーそれぞれの個性があふれ出し、グループとしてのパフォーマンスも螺旋を描くように高みへと上り詰めていった。緻密に構成された楽曲は、どれもが美しく完成度が高かった。エレモは週末の那覇の夜をジャズで焦がし続けた。

 中村亮と、element of the momentの新しいアルバムについて話したのは、2016年夏、熱帯夜の那覇の安酒場(センベロ)でのこと。共通の認識として、強いオリジナリティを持った、沖縄の新しいジャズを広く発信したいと考えていた。結成から7年を経て、エレモは何度かのメンバーチェンジを行った。今ではメンバーそれぞれが独自に活動を重ね、より強靭な音楽的筋力を蓄えて、さらにもう一段階上のステージに立っていた。

 2017年2月24日・25日、那覇市の国際通りにある”Sound M’s”は、かつてのグリーンアンツのような熱い期待感に包まれた。ライブ録音に集まった満員の客席からは、自然と高揚感がにじみ出た。
 レコーディングは当初からライブ録音と決めていた。グループとしてのアンサンブルの完成度の高さと、何が出てくるかわからない即興のスリリングさ、そして沖縄の夜の空気感も、その音に溶かし込みたかったのだ。アルバムタイトルの「OKINAWAN NIGHTS(オキナワン・ナイト)には、そうした想いが反映されている。

 ライブは、基本1セット5曲で2セット。2日間で曲目は微妙に異なった。事前に客席のテーブルに置かれたセットリストには、楽曲ごとに、一言惹句が添えられていた。
 例えば、初日のセット。
  1. Prayer's Dance 雨乞いの踊り
  2. a Girl in Blue 青いワンピースの女の子
  3. There | Here 向こう、ここ
  4. Moon and Darkness 月と暗闇(首里城の上)
  5. Nina's(映画「ブラックスワン」の主人公)ニーナへ捧ぐ曲
  6. Okinawan Like 沖縄の人々のように
  7. pure 親子の絆
  8. Through you 新たな経験への喜び
  9. World keep spinning それでも明日はやってくる!!
  10. an Ordinary Happy Day 普通の幸せな1日 2007
EN. getting home 街へ帰る

 曲に添えられた一言は、楽曲の扉を開く鍵だ。タイトなリズムと温もりのあるメロディーが美しいレイヤーとなって、楽曲のイメージや物語をより豊かで鮮やかなものにしてくれる。
 「There | Here」でのドラムのアタックの心地よさ。一本の映画の物語に寄り添うように綴られる「Nina’s」。「Okinawan Like」でのトロンボーンとサックスのドラマティックなユニゾン。「Through you」で繰り出されるフレーズの面白さ。「World keep spinning」での美しく長いトロンボーンソロ。クライマックに向かうサックスソロの高揚感。「getting home」での美しいピアノトリオのハーモニー。
 5人が奏でる音楽を聴きながら、譜面の上の音楽を、どのように解釈して響かせるのか、音楽のオリジナリティが生まれる場所がどこにあるのか想いを巡らせた。人としての生き方と音楽家としての強い意思、瞬間のひらめき、そして沖縄という磁場。5人それぞれのelementが、相互に反応して緩やかに大きな円環を描いていくようだった。

 “New Okinawan Jazz Attitude”。

 element of the momentは、沖縄のジャズの新たなぺージを開く光となるに違いない。そこには沖縄のジャズの明日がある。

 

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